ラストケ村

ラストケ村


プリトヴィツェ国立湖群公園から約30キロ北部に位置するスルニという自治体に属し、スルンチツァ川とコラナ川の合流点にあるとても珍しい地形の村。文化遺産指定。以前この村には村のシンボルともいえる現役の水車があったが、数年前に自治区によりそのほとんどが撤去され、もやは水車の村とは呼べない状態なのがとても残念。それでも行く価値は十分。



ラストケ村への行き方


ザグレブのバスターミナルからプリトヴィツェを通る長距離バス(スプリット方面行き)で約2時間。プリトヴィツェ30キロ手前のスルニ(Slunj)に差し掛かる少し手前、右手にラストケの村が見えて来る。スルニにて下車。そこから徒歩で3〜5分戻ると橋の手前左手にラストケ村の入口がある。

ラストケ村の楽しみ方

ひょっこり道端で裏庭の水辺でトトロやホビットに出会えそうなこの水上の桃源郷、ラストケ村。スルンチツァ川とコラナ川が合流する中州のような地形にあるため、村の家々の間を小川となって流れ、いくつもの大小様々な滝を生み出している。

そんなラストケ村で過ごす一日は、腕時計も携帯電話も持たないでマイナスイオン溢れる自然に身を任せてみよう。それが理想的な過ごし方。

まずは村の入口を奥にまっすぐ進んだ右手にあるCafe Vodena ovcaで一杯のコーヒーを楽しもう。カラフルな花とその下を流れる川のテラスで、エスプレッソもいいしクリーム珈琲だっていい。それから村を歩いて小さな滝のそばで気に入ったスポットを見つけたら、水音を聴きながら読みたかった本を広げる。時間など気にせずに旅の相棒とゆっくり語りあう。

おなかが空いたら村に二軒あるレストランで、この村で養殖されている新鮮なマスに舌鼓をうちながら、クロアチア産の飲みやすいビールでのどを潤し、それから水辺の宿に戻ってちょっとシエスタ。誰に遠慮もいらない、自分だけの時間。

村の周辺をスルンチツァ川やコラナ川にそって歩いてみるのも、ボートやカヤック、カヌー、釣りなどのウォータースポーツを楽しむもよし。泳ぐのは真夏でも氷のように冷たいスルンチツァ川ではなくコラナ川にしておこう。 


レストラン情報


ラストケでは村で養殖している新鮮なマス料理を楽しもう。オススメは下の写真の Konoba Pod rastočkim krovom (コノバ・ポド・レストチュキム・クロヴォム)。


スモークとグリルしたマスのプレートや単品などメニューは充実してて、手頃な値段。店の奥には小さなおみやげコーナーがあり、焼き物の壷やカップ、ウール製品などがある。トイレは清潔。
レストランの奥には小さな鍾乳洞、水車小屋や滝、クルカ国立公園にもある水圧を利用したむかしの天然洗濯機などがある有料の公園がある。入場料大人一人20クナ。


もう一軒のPetroはPod rastočkim krovomよりもメニューの種類は少ないが、花に囲まれた建物や小さな池に面した庭、料理場の煙突から立ち上る煙りなどまるでジブリの世界のような雰囲気が楽しめる。

池のそばのブランコ席ではドリンクだけの注文でもオーケー。 注)クロアチアの田舎料理は塩分が強いことがあるので、マスを注文するときはウェイターに伝えて塩を控えめにしてもらうほうが無難。マスを頼むとパンがついてくる。つけあわせにはじゃがいも、サラダなどがある。小骨の多いマスはフォークとナイフでは食べにくいので、割り箸またはマイお箸を持参すると便利です。


旅での主な費用


バス運賃:大人ひとり片道約60〜70クナ(バス会社によって運賃がことなる) ラストケ村の文化村(のようなもの)入場料: 大人20クナ おみやげ類:30クナ〜 レストランでのランチ:大人2人約200〜250クナ カフェ:コーヒー6クナ、クリーム珈琲8〜10クナ、コーラ15クナ、ミネラルウォーター6クナ 宿泊代:大人ひとり一泊120クナ〜


滞在の目安


1時間〜1泊、気に入れば何泊でも。ザグレブから日帰りまたはプリトヴィツェと合わせて一泊ないしは二泊で予定を組んでみるといいでしょう。

理想的な人数


1人〜4人の小グループ。 理由:小さくのどかな村なのでワイワイガヤガヤ大勢で賑やかに訪れるような観光地ではないからです。また村の民宿も2〜3人部屋が多いため。

宿泊


ラストケ村にある水辺の愛らしい民宿。豊かな水が溢れる裏庭には思わずピクニックしたくなる木のベンチとテーブル、畑などカントリーライフを体験できます。日によっては宿のおばあちゃんの手作りパンも食べられます。


ラストケ村内には数カ所のこのような民宿、スルニの町にソべやプチホテルがある。どこも清潔だけど、なにせ田舎町なのでベッドとシーツのみの簡素な宿が多く、設備はあまり期待しないほうが無難。ほとんどが夏場のエアコンなし、バスタブなし、給水タンクの温水シャワーのみ、など。

なので宿は単なる寝に帰るだけの場所と割り切って、野外の自然を楽しむほうがよいかも。レストランを併設していない民宿は基本素泊まり。


写真撮影ポイント


残念ながらこの村の魅力を十分にカメラに収めるのはむずかしく、なかなかこれといったスポットはない。三脚など持参であれば滝を撮ってみるのもおもしろいが、それよりもさまざまなエメラルドグリーンの色合いが楽しめ水中に沈んだ木々や魚などがおもしろいプリトヴィツェのほうが断然おすすめ。

最寄りのバス停

スルニ。ただしバス停にはなんの目印もないため、観光客にはわかりにくい。車窓(右)からラストケが見えたすぐのバス停。バス停左側には大きな(ちょっと悪趣味な色合いの)スーパーがある。ザグレブに戻るにはその前からバスに乗る。

ザグレブ方面からのスルニのバス停。写真中央の木のあたりで停まります。 赤い帽子の看板が目印。


赤い帽子の反対側の屋根付きのバス停からザグレブ行きの長距離バスが出る。ローカル便はその後ろの電信柱のあたりから。


ザグレブ行きのバスはスプリット方面から観光客で溢れるプリトヴィツェを経てやって来るため、満席の可能性もある。そこでスルニ近辺の村始発のローカルバスを利用しよう。とくに夜8時半すぎまで明るく日の長い夏場なら、午後6時のザグレブ行きローカルバスがおすすめ。

始発からはザグレブ方面に向う数人の村人の乗客しかおらず、スルニでも空席確率がとても高い。ただし、ローカルバスは他の長距離バスのように通りに面したガラス張りのバス停ではなく、その背後のタクシー乗り場に到着するのでまちがえのないように。といっても5分ほど停車するので焦る必要はありません。



ローカル便のバスが来ました。

ローカル便のフロント部分。カルロヴァツ経由ザグレブ行き。

バス会社名「Autopromet Slunj」が目印。

ということで、不安だったらバスの運転手さんや他の乗客に「ザグレブ?」と聞いてくださいね。


周辺の観光

スルニ、プリトヴィツェ

スルニとラストケ村周辺の地図。クリックで拡大します。



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